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梶川 朗さん[ヤフー(株) 取締役最高財務責任者]

   
MBA留学を通じて得た多くのこと
ヤフー(株) 取締役最高財務責任者
梶川 朗さん
 
 
 
■プロフィール■
1959年5月生まれ。1983年一橋大学商学部卒業後、野村證券(株)入社。86年には海外研修のため渡英、現地にて語学研修の後、同年10月ロンドンビジネススクール(LBS )入学、88年9月経営学修士(MBA )を取得する。その後、野村證券金融法人部等を経て96 年11 月にはソフトバンク(株)財務部次長に転職。さらに97年6月にはヤフー(株)取締役最高財務責任者へ。現在では管理本部長及びパーソナルサービス本部長を兼任しながら同社の舵取りを担い、インターネットビジネス全体の発展に力を注いでいる。
 
 
  ヒアリングに苦労した、会社での留学準備期
 
 
 
■聞き手■
海外進学センター代表
石倉秀哉(いしくらひでや)
1975 年慶応大学理工学部卒業、1987 年米国ヴァージニア州リンチバーグ大学大学院経営学卒業、1990 年海外進学センター設立。毎年約300 名の留学生を海外に送り出す。
 
石倉:梶川さんは大学を1983 年に卒業され、それから野村證券に入社されたわけですが、その後留学されたのはどういうきっかけからですか?
梶川:当時、会社ではシステムとして2 年間、ほとんどの人は営業を経験することになっていました。営業を2 年やるとその後に留学生候補試験というのをみんな受けるんです。TOEIC の試験ですね。
石倉:それは全員が受けられるんですか?
梶川:基本的には受けないといけないようになってるんですね。TOEIC の結果で選抜していくんですけれども、野村證券はけっこう営業主導の会社なんです。英語の試験は僕はあんまり良くないほうだったんですけれども、営業の成績は上げていたので一応面接だけ受けさせてもらったんです。面接に来ていた人数は同期の中では5 分の1 くらいでしたね。
石倉:そうですか。じゃ、そのあとロンドンビジネススクールに行かれるわけですが、これは自分の意思なんですか?それとも会社側から君はこっち、あなたはあちらというふうに決められるのですか?
梶川:どこの国に留学するかは、会社が決めるんです。MBA (経営大学院)というとアメリカという意識が強かったので、私も最初はアメリカに行くんだなと思っていたんですけど、イギリスに行けと言われて。あと、どこの大学を受けてどこへ行くかっていうのは本人の努力次第ということです。
石倉:ご自分としては、最初アメリカと思っていたとのことですが、結果的に、アメリカじゃなくてここでいいというふうに思われたんですか?
梶川:最初はやっぱり、イギリスって言われたとき、ではオックスフォードかケンブリッジに入らなくっちゃいけないって思ったわけですけれども、でも調べてみるとM B A の選択肢はそういう意味では少なかったんですね。行ってみて分かったんですけど、その分やっぱり精鋭が集まっているんです。いわゆるイギリス出身は60 %ぐらいで、そのうちの半分くらいがオックスフォード、ケンブリッジ出身じゃなかったかな。あとはヨーロッパからの留学生が30 %くらいという感じでしたね。
石倉:そうですか、なるほど。ところで当然ロンドンビジネススクールに入るには英語力をつけないといけませんよね。英語はどういうふうに勉強なさったんですか?
梶川:実は、自分は英語はあまりレベル高くなかったんです。それで、どうやって英語力をつけていくのかというと、留学生が本社に集まって仕事をしながら英語の勉強もするわけです。一応留学の準備が必要なわけですから、午前中は語学学校行って午後から仕事とか、夜は早めにあがって勉強したりとか、そういうふうに優遇してもらって、1 年間やるんです。でも語学学校には通いましたがなかなか成績が上がらないんですね。GMAT なんか意外と点数が早く上がるんですけれども。実際やっぱりヒアリング力とかは、そう短期的にはなかなか身につかなくて結構苦労しましたね。
 
 
  ボーナスをゲット、ニューヨーク出張もあった“おいしい課外授業”
 
石倉:授業はケーススタディーが中心なんですか、それともレクチャーがあって、それと、例えば中間試験とか期末試験があるといったシステムなんですか?
梶川:両方です。ケーススタディもありますし、普通のレクチャーもありますし。両方ですね、いわゆる経済学の授業もありましたし。
石倉:イギリスは授業の始まりが9 月末か10 月の初めからで、ちょっとアメリカより遅いんですけど、1 年の終わりはいつですか?
梶川:6 月ですね。6 月に2 年目の人はファイナルの試験があって、それが終ると一応卒業式になるんですよ。卒業式がパーティーなんですね。そのパーティーが夏の前の6 月。
石倉:1 年が終った後夏休みになるわけですが、イギリスの大学はサマースクールとかはないんですか?
梶川:サマースクールはないんですが、LBS (ロンドンビジネススクール)の場合は、フィールドワークっていうのがあるんですね。外部の企業とか団体がプロジェクトを委託してくるんですよ。それを学生が閲覧できるようになっていて、このプロジェクトやってみようって選べるんですね。これは実際に企業と契約をして報酬もいただいて、実際のちょっとしたコンサルティングに近いんです。私達がやったのは、ブリティッシュ・テレコム(BT )のプロジェクトです。BT の有線のホームセキュリティーシステムは独占状態だったんですけれども、アメリカでは無線でのホームセキュリティーシステムがすごく伸びていたらしいんですよ。アメリカでは無線が伸びているけれども、BT としてはどうすべきなのか。その調査をLBS に委託してきたんですね。これはかなり高額なプロジェクトだったです。1 年かけてのプロジェクトで、出張でニューヨークにまで行ったりして。
石倉:1 年かけて?それは、学校の授業の一環として?
梶川:そうです。プロジェクトは必ず1 つ選んでまっとうさせなきゃいけないんです。その調査の内容を大学側も評価しますし、クライアントからの評価も合わせて最終的に評価されるんです。これはおもしろかったですね。スペシャルボーナスもどんと出て?。
石倉:スペシャルボーナスが出たっていうことは、けっこういいリサーチだったということですか?
梶川:良かったと思います。ただ、イギリスはサマースクールで補習を受けるとか、そういうのはないですね。
石倉:そうすると、苦しかったけれどもずいぶん充実した2 年間だったと??
梶川:そうですね、とくに2 年目はだいぶ要領もわかったし、英語力もそれなりに上がったのでけっこう楽しめました。アメリカはたぶん単位を修得して、それぞれ評価がついてそれを全部履修すればそれで卒業になると思うんです。ところがLBS には最終試験があるんです。それまで取った単位の成績はまったく関係なしに、5 科目の最終試験があってそれを通らないと落ちちゃうんですよ。これはかなりのプレッシャーでした。
石倉:厳しいですね。
 
 
  MBA の“使い方”をはっきりさせた留学を
 
石倉:もう一回、ビジネススクールに行けって言われたとしたら、どこを選びますか?
梶川:国はやはりアメリカかイギリスだと思うんですね。イギリスだとLBS ですけれども、アメリカだとどこへ行くかわからないですね。でも、そもそもビジネススクールに行くのは、まだちょっと早すぎたかな、っていう感じがありましたね。野村證券での個人営業ではそれなりの数字出してましたけど、それはいわゆる経営をやってたわけじゃなくて営業をやってたわけですよね。だから会社の仕組みを理解したうえで何かやってるとか、そういうことじゃないわけですよ。だから、もう少し経営にからんだようなところで、仕事してから行ったほうがよかったかなとは思いますね。いずれにしても、今は経営の中枢でやってますが、ときどき、ああ、そういえばロンドンのときにこういうケースやったよなと。あのときの悩みってこういう問題だな、という感じがあるんで、もう一度行けたらもっとおもしろいかもしれませんね。
石倉:そういう点から言うと、日本の企業から行く場合はちょっとギャップがあるかもしれませんね。日本というのはどうしても下積みをやらなきゃいけないじゃないですか。最初から優秀だからマネージメントっていうわけにいかないので、その点ちょっとギャップがあるかもしれませんね。
梶川:そういう意味で言うと、MBA を取って何したいかっていう目的意識をはっきりさせておくべきでしょう。しばらくは下積みだけれどもそれをどこかで生かすっていうのも一つのアドバンテージだし、金融機関とか一般企業でも、MBAを取得してからしばらくして自分で起業しようとか、あるいは、もうちょっと経営の中枢に行けるようなところに転職しようっていうのも一つでしょうし。
石倉:しばらく野村證券という金融機関にいらして、ソフトバンクに転職されましたよね。ちょっと畑が違うように思うんですけれども、お聞きしたところ、先輩方がここは「とてもおもしろい」とおっしゃっていたとのことですが、おもしろさってどういったところですか?
梶川:最初に移った部署は財務部ですので、それなりに金融や証券の知識は必要な部署だったんですね。けれど、先輩が言ってたおもしろさというのは「同好会やってるみたいに楽しいぞ」って。つまり自分達で問題に直面して、ああだこうだと議論して、自分達で決めてそれを実際にやらなきゃいけない。やった結果が当然出てくる、そこがおもしろいぞと。うまくいこうがいくまいがそれは全部自分達に返ってくるという。野村證券にいた時は、やっぱりそれなりに組織のなかにいますから、ちょっと窮屈だったですね。そのまま野村證券にいたらどうだったかというと、そのうち支店長になったりするんでしょうが、楽しいかなっていうとあんまり魅力を感じない。
 
 
  価値観の違う人達との出会いこそ、大きな収穫
 
石倉:今、お話聞いていて感じたんですけど、もし留学しないで日本国内だけでずっと出世街道走っていた場合と、留学して、しかも海外でいろいろ働いた経験を持つ梶川さんとでは、物事の捉え方や感じ方が相当違うんじゃないかなと思うんですけど。
梶川:違いますね。日本人はなかなかクビにはならないですけれども現地の連中はけっこうクビになりますからね。目を真っ赤にしながら、明日からもう来ないからな、っていうような、そういう現実を見ましたし。それからシドニーなんかだと、若いうちはしゃかりきに働いてお金をそれなりに貯めたら、あとはアーリーリタイアメントして生活楽しむっていう、ちょっと違う次元の人達が大勢いる。そういう意味では、価値観がやっぱり国内でずっとやってきた人とは全然違うかもしれないですね。だから、そういう価値観が違う人達がいるという現実に触れるだけでも収穫になると思うんですよね。うちの若い連中でも留学したいっていう者がいて、MBAだったりあるいは語学だったりするんですけれども。どうしても決意が固いときはそのことを言ってやるんです。ほんとうに価値観が違う人達が集ってるから、それはとてもおもしろいと思うよ、と。
石倉:今、日本は私から見ても激動の時代だと思いますし、先頭を走っていらっしゃる梶川さんはとくにそういうことを実感してらっしゃると思うんですけれども、これからの日本人にとって必要なことは何なのか。とくに、海外の大学や大学院へ行こうという人が今増えてますけど、そういう人に何かメッセージはありますか?
梶川:今、日本のスポーツ選手がさかんに海外に行ってやってますよね。あの気持ちは私にもすごくよくわかるんです。彼らは、それまでは日本人の中で実力があるとか、ないとか、日本のものさしでしか見られていなかったと思うんです。ところが、海外に行ってみると人種の違う人達が競争してやるというのはもう普通なんですよね。それがわかるだけでも勉強になるし、そのなかで、もちろん実力がつけばついたですごい自信になるので。留学にしても、それくらいの目的意識をもって行ったほうがいいかもしれないですね。
石倉:実は半年ほど前に、アメリカ版「留学ベストガイド」の中で、人材採用コンサルティング会社の(株)ワイキューブの安田社長と対談したんです。「採用の超プロが教える人生の選び方、仕事の選び方」というベストセラーを書いた人です。その彼は、高校まではとにかく落ちこぼれで、ご自身がおっしゃるには三単元のS さえわからないようなときにアメリカの大学へ行った。なんで行ったかというと、大阪で毎日満員電車に乗っていて、中年のおじさん達と吊り革の奪い合いをしていると。自分は高校へ通っている間こうしているけれど、このおじさん達は一生やってるんだなと。でも、自分は絶対嫌だ、どこかで何か変えないといけないと思って、それで行ったそうです。この方もやはり向こうへ行って勉強がめちゃくちゃ大変だったようです。でもアメリカにいる間に、こいつらなんでこんなにめちゃくちゃ自信があるんだと思ったらしいんですね、何の根拠もないのに。そういうことも含めて、これは日本の価値観と全然違うぞと。それから、自分にも相当自信がついてきたということです。そこで将来、自分で絶対会社作ろうと思ったらしいんですね。それで、オレゴンで一緒だった友達と会社を作られた。だから、彼なんか見ていると、日本にずうっといて、どっか入れそうな大学入ってたら、本当に今頃は吊り革につながって毎日おじさんと同じことをしてたと思うんですね。
梶川:我々の時は、新卒しか採らないとか、そういう入り口での切り方がけっこうシビアだったと思うんですよね。日本の社会自体が。でも、うちなんかもそうですけど、今は違いますね。新卒はもちろん採るんですけれども、中途採用がほとんどで、何ができるのかっていう基準で採るわけですよね。海外もそうです。アメリカもイギリスもそうです。日本もそうなって行くのを考えると、留学するというのは非常にいい選択ですね。たしかに海外の大学でやるというのは大変なんです。その大変なことをこなせたというのは大きな自信になりますしね。今おっしゃったのを聞いてちょっと思ったのは、海外の経営者や投資家もそうです。すごいっていわれる人達も仲良くなってみると、意外といいかげんだったりするんですね。だけど彼らには自信というものが必ずあるんです。そういう連中に混ざって何かをやったっていうのは、確かにこちらの自信にもなりますね。
 
 
  なるべく若い時に英語の体験留学を
 
石倉:もし、ご自身の人生をもう一度やり直せって言われたら、また留学されますか?
梶川:そうですね。それも高校時代に留学したいですよね。言葉にはやっぱり苦労しましたから。高校とか中学で1 年でも2 年でも留学してた連中というのは、MBAに入るときは少しサビついてるんで同レベルなんですけど、やっぱり回復というか上達が早いんですよ。うちの息子なんかも早いうちからちょっとやらせてみようかなって思いますね。
石倉:実は、韓国の人というのは、お母さんと小学生の子供がカナダのバンクーバーあたりで1 年か2 年くらい留学する人がたくさんいるんですよ。それで1 年か2 年して帰るわけですね。一旦、韓国の教育システムに戻るんですけど、新たに高校とか大学くらいで再び留学すると戻りが早いんですよ。小学校くらいのときに英語が頭に入っているから。
梶川:私が一緒に留学したうちの1 人は、小学校の低学年から5 年生くらいまでの間、お父さんの仕事の関係でアメリカにいたんですね。その頃英語はしゃべってたけれど、今はまったく忘れてたって言うんだけど、勉強しだすとやはり回復というか上達がぜんぜん違うんですよね。同じ会話をしていても深さがやっぱり違うんです。1 年くらい、中学か高校で留学しておくといいでしょうね。
石倉:そうですよね。ところで、今日は本当に貴重な話をいただきましてありがとうございました。
 
 
「現代のニュー・エリート」というのが梶川さんと対談しての印象です。高学歴ではあるけれども、自らリスクをとって果敢に人生に挑戦していく。そんな梶川さんは、今の大学生や若い社会人にはとてもかっこうよく見えるのではないでしょうか?これからのビジネスエリートにとっての三種の神器とは、どうやら「英語力」、「日本にとらわれない世界観」、「新しい世界へのチャレンジ力」のようです。次代を担う若者にとって、もはや留学経験はなくてはならないものになってきた感があります。海外進学センターは、そういうやる気のある若者を積極的に支援しています。
 
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